オレンジラヴストラック


でも今日は珍しく先着が居るようだ。


姿は見えないが、どこからか歌声が聞こえる。


心を優しく撫でる様な透き通った女性の声。


聴いたことの無い歌だった。


俺は囁く様な歌声に誘われ、お気に入りの岩場を離れた。


耳を澄ませ、聴こえる歌声を頼りに声の主を探した。


途中、耳を澄ますのに集中しすぎて波を避けきれず、ビーチサンダルを濡らしてしまった。


でもそんな事はどうでもいい。


< 4 / 119 >

この作品をシェア

pagetop