オレンジラヴストラック
「ずっと前から崖の下に居たの?」
「そう。魚が釣れて嬉しそうな顔とか一匹も釣れないでガッカリしてる顔とか見てたの。もっと言うと私の方が先に好きになってた」
「ホントに!?」
「うん。でも私は人魚だから諦めてたの。だから恋人になれてスッゴク嬉しい」
「そうだったんだ…」
ソフィアの言葉に顔が赤くなるのが分かった。
「で、どうして釣りしないの?毎日それ見るの好きだったんだけどなァ」
ソフィアはまじまじと俺の顔を見つめる。
「だってソフィアを探すのに必死だったし、人魚なんて事知ったら余計に出来なくなったってゆーかァ…」
左手で首筋をかきながら、ソフィアの熱い視線から逃れた。