オレンジラヴストラック
「好きだよ、拓也」
吐息混じりのソフィアの声に理性が飛びそうになった。
「俺も大好きだよ」
“時を止めたい”こういう気持ちを言うのだろう。
毎日洞窟で話をして、デートの約束をして、キスをして、想いを伝え合って…。
なのに何故・・・?
夕日が沈むいつもの時間、ソフィアは姿を見せなかった。
「どうしてだよッ!…ソフィアぁぁ!!」
どこまでも広がる黒い海に叫ぶ。
誰も居ない砂浜に一人。
聞こえるのは、俺を笑うかのように大きくなっていく波音だけ。
ただ…それだけ。