オレンジラヴストラック
「何?用事があるんだけど」
大きなデスクを挟んでお父様を睨む。
私は自分の考えを押し付けるお父様が昔から嫌いだった。
「人間の男に会いに行くのか?」
怒鳴ってくれればいいのに、静かな口調だと余計にドキリとしてしまう。
「何の事?」
「しらばっくれるなっ!!ニーニルが見ていたのだぞ!」
反射的にお父様の隣に居るニーニルを見る。
相変わらずの冷たい目で私を見ている。
ニーニルのクチバシの様に尖った口が少しつり上がっていた。