オレンジラヴストラック


北へ進むにつれて海は冷たさを増す。


私が暮らすのは南の海。


だから私は冷たい海は苦手である。


ウロコの無い肩に冷たい海が突き刺さる。


素肌に感じる冷たさは痛みに変わる。


痛みに耐え、更に北へ…冷たい。


痛みに耐え、更に更に北へ…痛い。


体の感覚が無くなってきた。


でも北の海へ行く事に後悔なんてしていない。


私は足を手に入れて拓也の前に立つ。


< 63 / 119 >

この作品をシェア

pagetop