オレンジラヴストラック


「正確に言うと一昨日もだけど…。お姫様に急用は付き物だよ。何か訳があったんでしょ?」


二日も来なかった私に会いに来てくれた拓也の優しさと言葉が心に沁み、涙が溢れた。


「泣くなって…話してみ?」


拓也は私の頬を伝う涙を拭った。


「…うん」


崖の下に二人腰を下ろし、私はゆっくりと話し始めた。


「話さなくちゃいけない事がありすぎるんだけど…。まずはお父様に拓也と付き合ってる事がバレちゃって。それで…呼び出されたから会いに来れなかったんだ」


拓也は頷くだけで何も言わない。


ただ優しい目で私を見つめている。


「私が毎日ここに来る時、ニーニルっていう追跡の達人が居て…全部お父様に報告していたの。多分今も何処かで見ていると思う」


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