オレンジラヴストラック
そうやって何でも決め付けないでほしい。
「不可能なんかじゃない」
私は再び北へ向かって泳ぎ始めた。
お父様から逃げられるとは思っていない。
だが、お父様は追ってこなかった。
不思議に思った私はお父様の姿を確認しようと、初めて振り返った。
「っ…」
言葉が出なかった。
何故なら、お父様の周りを電気を帯びた細長い魚が取り囲んでいたからだ。
その光景を見て、少し胸がチクリと痛んだ。