オレンジラヴストラック
私は近くの棚に置いてあったナイフを左人差し指の腹に当てる。
深呼吸をしてからナイフをスライドさせた。
「痛っ」
思っていた以上に痛くて驚いた。
「この瓶に入れな」
マーゼラは蓋の開いた小瓶を差し出した。
「このまま入れちゃダメなの?」
人差し指を絞りながら聞く。
小瓶に入れてから大きな瓶に入れるなんて二度手間だと思ったからだ。
「必要以上に入れると失敗するんだよォ」
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