あの日のこと
★思い出
山口佑哉。

それは8年前のこと。

ウチは、帰国少女で8歳までイギリスに住んでいた。

そこは小さな田舎町で、小さな家が5、6個しかないホントに小さな町だった。

5歳のとき雪が降っていたから、1人で外で雪だるまをつくていた。

「何してるの?僕も作っていい?」

と、言ってきたのが佑哉だった。

最初は戸惑ったけど、この当たりでは見ない日本人で嬉しかった。

ウチ「うん。名前はなんて言うの?あたしはレイラ!!日本人だよ!
でも、パパのお仕事の関係で、生まれたころから、ここに住んでるの」

佑哉「僕は、ユウヤ。僕もお父さんの仕事の関係で、3日前に、ここに来た。
家はそこだからいつでも来ていいよ」

それから2人は毎日遊ぶようになった。

パパもママもユウヤのことすっかり気に入っちゃって。
家族ぐるみで仲が良くなった。


ある日、ぼそっと言った。
「レイラ、僕の事、好き?」
ウチは、何を言ったのか分からず聞き返すと
「いや、何でもない」

と教えてくれなかった。





でも、幸せは長く続かず。。。


ユウヤのパパが病気で亡くなって
ユウヤはユウヤのままと2人で日本に帰ってしまった。


ウチはほんの1年チョットのユウヤ一家との出会いと
思い出が頭に浮かび、泣いて泣いて泣きまくって…




それから3年後、パパの任務が終わり、日本へ帰れることになった。


ウチ(日本…ユウヤは今、どこで何をしているのだろう…)


< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop