社長のご指名 *番外編Ⅲ*
「紗衣っ、紗衣っ。」
呼び掛けてもピクリともしない横たわる紗衣の傍にしゃがむめば、うっすらと目を開く。
「紗衣、紗衣。起きれる?大丈夫?」
少し顔を近付けてゆっくりと話かけるが、なんの反応もなく目は虚ろなまま。
「紗………衣、――――っ!紗衣っ、紗衣っ!」
もう一度呼びかけようとした時に、床に着いてる指先に湿る感触がし、視線を移すと真っ赤な物がじわじわと広がってくる。
少し顔を上げると紗衣の頭部の前には、黄色のおもちゃ箱。
そのおもちゃ箱の角だけが真っ赤に染まっていて、やっとそれが紗衣の血だとわかった。
パニックになりながらも、救急車を呼ばなきゃと鞄をひっくり返し携帯を取り出すが、番号が浮かんでこない。
早く救急車を呼ばなきゃいけないのに、震える指先が動かない。
「お姉ちゃんっ!」
呼び掛けてもピクリともしない横たわる紗衣の傍にしゃがむめば、うっすらと目を開く。
「紗衣、紗衣。起きれる?大丈夫?」
少し顔を近付けてゆっくりと話かけるが、なんの反応もなく目は虚ろなまま。
「紗………衣、――――っ!紗衣っ、紗衣っ!」
もう一度呼びかけようとした時に、床に着いてる指先に湿る感触がし、視線を移すと真っ赤な物がじわじわと広がってくる。
少し顔を上げると紗衣の頭部の前には、黄色のおもちゃ箱。
そのおもちゃ箱の角だけが真っ赤に染まっていて、やっとそれが紗衣の血だとわかった。
パニックになりながらも、救急車を呼ばなきゃと鞄をひっくり返し携帯を取り出すが、番号が浮かんでこない。
早く救急車を呼ばなきゃいけないのに、震える指先が動かない。
「お姉ちゃんっ!」