社長のご指名 *番外編Ⅲ*
子供たちより、ぺたりと座り込んだ真子先生を庇った朔夜を睨みつける。





「お姉ちゃん………。」





雪菜の私を呼ぶ声で朔夜から視線を外し、鈴を抱き締め今だぐったりとしている紗衣の手を握る。





「紗衣、もう少し待ってね。ママの声聞こえる?わかる?」





顔を覗き込むと微かに口が動く。




それからどれくらいかわからないけど、救急車のサイレンが聞こえ担架に乗せられ運ばれる紗衣に着いて行った。





病院に着くと、すぐに手術室に運ばれた紗衣。





紗衣がどういう状態なのかわからず、ただ無事を祈るしか出来ない私は鈴をキツく抱き締める。





看護師さんに声をかけられたが全く憶えてなくて雪菜に声をかけられて、病室にいるんだと気付いた。





「お父さんとお母さん呼んだからね。後……朔夜さんのご両親も……。朔夜さんも、もう来ると思う。」


「そう……。」





今は朔夜の顔を見たくなかった。



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