社長のご指名 *番外編Ⅲ*
第4章 -距離-
手術が終わり、病室に運ばれた紗衣の頭には真っ白な包帯が巻かれていた。
伸ばしていた髪の毛が見当たらない。
顔が青白く、ぐったりと寝ている。
倒れた時に頭皮を切ってしまい、出血が止まらず危ない状態だったがなんとか命は取り留め、皮膚を縫うのに髪の毛を剃らないといけなかったと担当医師が言っていた。
「章菜っ、紗衣は大丈夫なの?」
病室のドアが開きお父さんとお母さんが困惑の表情を浮かべ近付いて来る。
「命は取り留めたって先生は言ってた。今は麻酔で寝てるよ。」
「そう……よかったわ。」
紗衣の手を握り、一言も話そうとしない私を見かね雪菜がお父さんとお母さんに説明してくれていた。
「お姉ちゃん、何か飲む?」
「いらない…………。」
雪菜が気を使ってくれるけど、そっけない態度を取るしか出来ない。
伸ばしていた髪の毛が見当たらない。
顔が青白く、ぐったりと寝ている。
倒れた時に頭皮を切ってしまい、出血が止まらず危ない状態だったがなんとか命は取り留め、皮膚を縫うのに髪の毛を剃らないといけなかったと担当医師が言っていた。
「章菜っ、紗衣は大丈夫なの?」
病室のドアが開きお父さんとお母さんが困惑の表情を浮かべ近付いて来る。
「命は取り留めたって先生は言ってた。今は麻酔で寝てるよ。」
「そう……よかったわ。」
紗衣の手を握り、一言も話そうとしない私を見かね雪菜がお父さんとお母さんに説明してくれていた。
「お姉ちゃん、何か飲む?」
「いらない…………。」
雪菜が気を使ってくれるけど、そっけない態度を取るしか出来ない。