社長のご指名 *番外編Ⅲ*
「私、自分勝手だよ?」


「章菜?」


「意外と短気よ?それでもいいの?」


「何言って―――――章菜は俺でいいのか?」


「じゃあ、離婚する?」


「しないっ。離婚は一生しない!」

「うん。私も一生しない。」





涙腺が緩くなりそうで、天井を見上げる。





笑ってくれてよかった、許してくれてよかった。





やっぱり俺は、どうしようもないくらい章菜が好きなんだとまた自覚した。





「もうそろそろ子供達のところに行こう?」





病院で、入院患者も看護師も医師もいて見られているかも知れないけど、手を繋いで病室に行けば鈴が紗衣のベッドに潜り込み、二人は寝ていた。





「朔夜。」





小声で呼ぶ章菜に顔を向けると、唇にキスされ突然のことで目を見開く。





「子供達が寝てる隙に仲直りのキスね。」





微笑む妻を見て、やっぱり愛してると再確認した。




-end-
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