ビターな彼に夢中[短編]
私の笑顔をみて
マサトはため息をついた。



マサトのおかげで
作業は10分くらいで終わった。


マサト早い!


プリントの束を運ぼうとすると
マサトがそれを遮った。


『お前運んだらまた落としたりしそうだから、俺がやる』



学ランを着て
大きなカバンを肩にさげ
分厚いプリントの束を一気に持ち上げたマサト。

わぁ!

『力持ちだね!』


目を輝かせる私に
マサトは目を合わせずに言う。


『別に普通。』




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