ビターな彼に夢中[短編]
…パニクる?


はっ!

そうだよ!


彼女みたい♪なんて
聞かれちゃったから…




私は焦りながらマサトの横に駆け寄る。


『ああああのね、マサト!
さっきの発言はね…』


なんて言おう…?



マサトを見ると
マサトも私を見ていた。


月に照らされてうっすら見える
マサトの凛々しい顔。


なんてカッコいいんだろぉ…



『マサト好き…』


うん…

好きなの…



…??



私いま言っちゃった?



私はまた口に手を当てる。


言ったよね!?


恥ずかしい~!


両手で顔を隠す私に
マサトは冷静に言った。


『…知ってるけど。』



え?


私はマサトを見た。


『なんで!?誰かから聞いた?』



『いや…お前いつも口から全部出てるし。』



え~!


それは嘘だよ―


さすがに私
そんな間抜けじゃないよ!


『今のも』


えぇ!?


『顔に出てるから。』


あぁ…顔ね…


『なに安心してんの?
結局全部わかるってことね』


そうか~…



マサトはまた私を置いて歩き出した。



< 22 / 85 >

この作品をシェア

pagetop