ビターな彼に夢中[短編]
教室に入るまで
高宮は何も話さなかった。


なによ…

私なんかした?



さらに高宮は
放課後まで私に絡んで来なかった。



いつもの態度に迷惑してたはずなのに

これはこれでなんだか悶々とする…



放課後、私は高宮に話かけた。


『ちょ…ちょっと。
昨日言ってた試合はいつあるの?』


行くって決めた訳じゃないけど。


高宮は
笑うでもなく怒るでもなく
普通に言った。


『次の休み。来んの?』


く…

来んの?って…

高宮が誘ったんじゃんか!


『分かんない!』


私は言った。

本当は90%くらい行っても良いって思ってた。

『ふ~ん』


高宮はそれだけ言って部活に行ってしまった。


ちょ…

なんなの?

高宮どっか頭打った?


なんか

…調子狂う…



私は少し
しょんぼりして帰った。


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