ビターな彼に夢中[短編]
翌朝、高宮は通学路に現れなかった。


なんだろう…

すっごく嫌…


お昼の休み時間
私は高宮を呼び出した。


『お前、呼び出しとか怖いって』


ふざける高宮になぜか
ちょっとホッとする。


『今日、朝どうしたの?』

私は素直に聞いた。



『どうしたのって何が?』

高宮は首をかしげた。




は…

こっちが下手に出たらこれ…?


『…わかるでしょ?』


私はわざと
ちょっと苛ついた声をだす。



そんな私に
高宮は冷たい目をした。


『…別に約束してた訳じゃないだろ。てかお前何様?』



え?

私は心がびくっとした。

何様って…


『…何様って…』


なんとか言い返す。


でも高宮の目は見れなかった。



『お前、俺のこと鬱陶しかったんだろ?』


『そうだけど…』


『んじゃ良いじゃん。
俺も疲れた。』


え…

高宮…?


高宮を見ると悲しい目をしていた。


『あ…』

『んじゃ。』


高宮は私が何か言う前に
戻っていった。



私は立ち尽くしていた。

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