ビターな彼に夢中[短編]
休みの前の日
エリが言ってくれた。


『試合見に行こう!
怖かったら私も行くから』

私は頷いた。

今さらだよ、本当に。



私は毎晩、泣いていた。

素直になりたい…

時間を戻したい…





――試合当日。


エリと一緒に試合を見に行った。


体育館の応援席には
既に女の子がたくさんいた。



私は隠れるように高宮を見た。



ホイッスルがなる。


シューズが床に激しく擦れて

キュッ キュッ

と音をたてていた。



すごい…



ドリブルで走る高宮…

シュートを決める高宮…



かっこよくてまた泣けてきた。



私、弱虫だなぁ。





エリが手を握ってくれた。



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