ビターな彼に夢中[短編]
『このまま一緒にいたら、
俺おかしくなりそ…
家族を壊したくないのに』


『お兄ちゃん…』


抱き締められた腕に力がこもった。


『駄目だと思って忘れようとしても…結局いつも駄目で…』


『…お兄ちゃん…』


『……』

ふいに、
抱き締められた腕がほどかれた。


お兄ちゃんは俯いた。


お兄ちゃん…?


『…やっぱり駄目だ』


お兄ちゃん…

なんで…?


『兄妹なんて…お前が苦しむ。
ごめん…』


『お兄ちゃん…』


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