ビターな彼に夢中[短編]
智也くんのマンションについた。


何気に入るの初めてだぁ♪


オートロックの入口に
智也くんがカードキーを通すと
ガラスの扉が開いた。


わぁー!
ドラマみたぃ!


うちは和風の古い一軒家。


なんだかワクワクしてると、
智也くんが私を不思議そうに見た。


エレベーターで
智也くんの部屋の前に着いた。


智也くんが扉を開いて

『どーぞ』

って私を先に通してくれた。


なんだか執事みたいな仕草に
胸がきゅんってなる。


智也くん…


フローリングの廊下の先の
リビングに行くと夜景が見えた。


リビングには白いソファーと
その下に毛足の長いラグがひいてあった。


白とダークブラウンで統一された空間は一言でいうと
大人な感じだった。


『すごい綺麗だね!』


私が智也くんを振り返ると

智也くんはスーツの上着を脱ぎながら

『ん、モノが少ないだけ。』
と答えた。


うわぁ…

かっこいい…!


私は智也くんの仕草に釘付けになる。


智也くんはスーツの上着を
イスにかけるとネクタイを緩めた。


シャツの袖のボタンを外したところで、私の方をみた。


『何?ソファーに座れよ』


ほぇ?


首をかしげて私をみる智也くんのその視線にすら酔いそぉ…



突っ立ったままの私に
智也くんはキッチンから水の入ったコップを持ってきた。


『楽にしろよ』


智也くんは少し微笑んで
ソファーの前の机にコップを置くとそのままベランダに出て行った。


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