迷子の眠り姫〜sweet kiss〜＊下＊

「…それに、」



みさきが振り返ったのを確認してから、続ける。



「みさきも、イヤならちゃんと拒まないと」


「…えっ？」


「俺は、毎回ちゃんと確認してるでしょ？」



昨夜だってさ。

“いい？”って聞いたら、頷いたじゃん？


…まぁ、アイツがいたことを知らなかったわけだけど。



「な…そういう問題じゃないでしょ？」


「そういう問題でしょ？」


「……っ」



真っ赤になって、黙り込むみさき。

ふっ…可愛い。



「アイツが気になるときは、みさきがちゃんと拒んでくれればいいだけでしょ？」



アイツがいるから我慢する、なんて。

俺としては考えられないけど。

みさきが全力で拒んでくれれば、俺だって…



「…無理だよ。」


「え？」


「拒むなんて、できない…」



消え入りそうな声で呟くみさき。

なんか…俺ってば、
朝からみさきをいじめてるみたいじゃないか？



「なんで？」