迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「……!?」
身体中にキスを落として。
熱く、紅くなったみさきを抱き寄せた。
ちょうど、その時。
玄関が開いて、
遠慮がちに響いた声。
それは紛れもなく…
「やだっ。また…」
それを聞いて、慌てて起き上がろうとするみさき。
…タイミング、悪すぎ。
でも…
「ちょっ…航く…」
気にせずに、俺はそのままみさきの肌に顔を埋めた。
「やっ…ちょっ…」
与えられる刺激に反応しつつも、俺を押し退けようと頑張ってるけど…
「やめて。また先輩に…「聞かせてやればいいじゃん。」
「えっ?」
「俺たちがどれだけ“愛し合ってる”のか、を。」
無理なんだ、って。
みさきは手に入らないんだ、って。
アイツに、知らしめてやればいいんだ。
「……航く…んっ」
アイツがドアの前を通るのを見計らって、俺は…
大切にしたい、って思うのに。
その気持ちは嘘じゃないのに…
なんで俺は―――