迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「実は俺…先輩にずっと憧れてたんです!」
「…へっ?」
「先輩は知らないと思うけど、中学も同じだったから…」
…確かに、知らなかった。
「だから、同じ委員になれてすっごく嬉しくて…」
なんか、すっごく興奮気味に話してるけど…ごめん。
俺は、全く君の情報がないや。
なんか申し訳ないなぁ。
「成績もいいし、スポーツもできるし、みんなにやさしくて人気者で…俺にとっては“雲の上の人”って言うか…」
「いやいや、それは大げさでしょ…「何より、」
さっきまでおとなしい印象だったのに…
俺の言葉を遮ってまでも、メガネ君の勢いは止まらない。
「“彼女”に一途なところに憧れてました。」
「…え?」
「あんなにモテるのに…
“彼女”さんのことだけを見て、すごく大事にしてたでしょう?」
「まぁ…」
「そういうところが、男としてすごいカッコイイなって思ってました。」