迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
初めて一緒に眠ったのは、
高校2年の春。
つき合い始めて1年。
航くんが“目標”を達成して、
初めて“キス以上のこと”をした日だった。
――――……
――……
「……あ。」
手をつないで。
抱き合って。
普通にキスとかするようになって…
航くんのお家に遊びに行くようになったし、
時には泊めてもらうようにもなった。
…客間に、だったけど。
何より、
私の気持ちが確実に“好き”に変わっていた頃。
ごく自然な流れでキスの種類も変わって。
くっついている時間も長くなった。
ソファーで。
あるいは航くんの部屋で。
軽くキスを交わすうちに、
気持ちが高ぶって、
お互いに抑えられなくなってきて…
“その先”に進みそうな…状況に陥ったことは何度もあった。
でも、
「…これ以上は、ダメ。」
航くんは、必ずそこでストップした。
「…そんな顔、しないでよ。俺も必死なんだから。」