迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
あれから――
航くんと会わなくなってから、半月が経った。
電話もメールも。
最初のうちこそ頻繁に来ていたものの…
ずっと無視してるうちに、自然と途絶えた。
もう、どうしていいのかわからない。
そんな状況。
航くんに会いたいけど、
会えない。
当然ながら、
航くんのお家には行けなくて。
完全に行き場を失ってしまった私。
そんな私に茉奈は、
「落ち着くまで、ここにいていいよ?」
って言ってくれたけど…
これ以上、茉奈に甘えるわけにはいかないから。
私は、
自分の“家”に帰るようになった。
そして…
「そうそう。…なんだ。
まどか、ちゃんとできてるじゃない。」
「え?ホント?」
「うん。ここを押さえておけば大丈夫だよ。基礎さえできてれば、赤点にはならないから」
あの学校はテストのレベルが違うからね。
私の言葉に、たちまち表情が明るくなるまどか。
「ありがとう!みーちゃん。」