迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「みーちゃん、ありがとうっ!!」
家に帰るなり、満面の笑みで抱きついてきたまどか。
今日は帰りが早いんだなぁ…なんて、思う暇もなく。
「みーちゃんのおかげで、赤点免れたよ!それどころか自己ベスト!!」
嬉しそうに突き出して来たのは、テストの結果が書かれた紙。
そっか…もう返って来たんだ?
それを受け取って見てみるも…あ。
私って、そもそものまどかの成績知らないんだった。
だから、上がり下がりもよくわからないけど…
上向きの矢印は、前回よりも上がったってこと…だよね?
「おめでとう。よかったね。」
微笑みかければ、
「うんっ。先生にも褒められちゃった。」
素直に喜ぶまどか。
可愛い、よなぁ。
感情を表に出せる、って羨ましい。
私には絶対にできない。
「それでね、お願いがあるんだけど…」
「何?」
「これからは、毎日…あ、もちろん少しずつでいいから、勉強をみてもらってもいい?」