迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*



……え?



「だって、航ちゃんと…でしょ?」


「うん…?」


「そりゃ、つき合い始めたのはその頃かもしれないけど、キスは…」



なんだろう?

混乱しているようで、頭を抱えて必死に考えている様子の茉奈。


何……?



「…あ、そっか。」



少しの間を置いて。

ようやく、解決したらしい。


パッと顔を上げて、私のほうを見ると…



「みさきって、本当に気づいてなかったんだ?」



またしても、意味不明なことを言い放った。



「え…?」


「私はてっきり、気づいてたか…航ちゃんに聞いてるのかと思ってた。」


「へっ?」



茉奈は笑ってるけど、私は笑えない。

意味がわからない。



「なんだ、そっかー。
じゃあ、仕方ないよね。」


「……茉奈?」


「あー、でも…私、航ちゃんに怒られちゃうかな?」



やだなぁ、なんて。
呑気に言ってるけど…何?

ハテナマーク全開の私に、茉奈は悪戯な笑顔でさらに衝撃的な言葉を続けた。



「みさきって、

航ちゃんがキスすると、目を覚ますんだって?」



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