迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*



……気持ち悪い。



おかしいなぁ。

そんなに飲んでないのに。


…あ、でも、
けっこう食べたからかな?


最近、まともに食べてなかったから。


食欲はないし、
だるいし熱っぽいし…


この季節にはよくあることなんだけど、

今年は、それに睡眠不足まで加わってるから。


最悪なコンディション。


やっぱり、今日はやめておけばよかった。





「お水、もらおう…」



茉奈はいないけど、ちょっと失礼して…



冷蔵庫を開けて、ペットボトルを取り出して。

コップを…と思って立ち上がったとき。



何気なく、目に入ったカレンダー。


キッチンの壁にかけられたそれには、茉奈のバイトの予定なんかが書いてある。


うわぁ…。
茉奈ってば、びっしり。
すごい働いてる。


そう言えばさっき、倉田くんに会いに行くお金を貯める!とか言ってたっけ。


ふふっ。


なんだか微笑ましくて、思わず口元がほころぶ。



でも…



「あれ…?」



カレンダーを見ていて、あることに気がついた。



「私、今月…」



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