迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
マドカはみさきの“妹”。
血のつながりはないけど、みさきのことが大好きで。
本当の“姉”として慕っている。
それはもう、嫌ってくらいわかっている。
だから、キツイんだ…
「ごめんね?私が口出しすることじゃないんだけど…」
遠慮がちに。
でも、まっすぐに。
俺の目を見て話すマドカ。
「みさきちゃんね、
最近ずっと、元気がないの。」
「……。」
「具合が悪い、って。
1日中寝込んでることも多いし…」
「……っ」
季節の変わり目。
みさきはこの時期、いつも体調を崩す。
だから、決して珍しいことじゃないんだけど…
「夜も眠れてないみたいだし、ご飯もあんまり食べないし…。食べても吐いちゃったりとか…」
たぶん、そこまで悪化しているのは俺のせいだ。
傷つけて、追い込んで…
俺が苦しめたから…
「だからね、」
俯いた俺を下から覗き込むように見つめながら、マドカは言った。
「みさきちゃんに、会ってあげてほしいの。」