迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「ここ…か。」
母さんが教えてくれた病室。
ドアの前に立って、とりあえず深呼吸。
1ヶ月…ぶり?
どういう顔をして、何を言えばいいんだろう?
……って、ダメだ。
ここまで来て、怖じけずいてどうする?
とにかく、会おう。
会わないことには始まらない。
……よし!
意を決して、ドアを開けた……瞬間。
「……あ。」
すぐに目が合った。
「あ…あら?」
俺を見た途端、明らかに“マズイ”と言う顔になって。
「早かったねぇ」
努めて明るく、引きつった笑顔で出迎えてくれた…
「茉奈さんっ!」
俺を惑わせた張本人。
「なんであんな嘘…」
「……何のこと?」
「しらばっくれる気?」
茉奈さんがあんなことを言うから、話がややこしくなって。
挙げ句、母さんにこっぴどくお説教をくらうハメになったんだ。
「茉奈さ「しーっ!みさきが起きちゃう。」