迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
甘い香りと。
温もりと。
久しぶりに触れたみさきの身体。
最後に会ったときよりも確実に、一回りは細く小さくなっていて。
そのことに、一瞬だけ胸がチクリと痛んだけど…
大丈夫。
すぐに元に戻るから。
俺が戻して見せるから――
想いを込めてさらにぎゅっと抱きしめれば、
それに応えるように抱きしめ返してくる細い腕。
ああ…もう。
それだけで、俺はこんなにも満たされるんだ。
「……。」
ふっと、腕の力を緩めて、みさきを見れば、
同じように、俺を見つめる瞳と目が合った。
言葉なんて、いらない――
「………っ」
どちらからともなく、ごく自然に近づく顔。
重なる唇。
感じる“温度”。
みさきの“温度”。
それはとても心地よくて。
1度じゃ全然足りなくて…
何度も何度も。
俺たちはキスを交わした――