迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
最愛の君に最高のキスを
――…
―――……
……ん?朝?
あれ?俺…昨夜は……
カーテンから差し込む光で目が覚めたものの…
曖昧な意識の中。
すぐには事態が呑み込めなかった。
ゆっくりと記憶をたどりつつ、瞼を開いて感覚を取り戻していくと…
「……あ。」
腕の重みと甘い香り。
触れ合う肌から伝わる心地よい体温と感触。
すぐ傍にある“存在”に気がついて。
瞬時に蘇る昨夜の出来事。
「…そっか。俺…」
俺にぴったりくっついて、安心しきったように眠るその姿を確認したら、
なんだか無性に嬉しくなってきて。
その華奢な体をさらに自分のほうに抱き寄せた。
「ん……?航…く…」
完全に寝入ってるくせに。
無意識に俺の胸に擦り寄ってくるみさき。
「可愛すぎ…」
もう少しこの幸せな状況を味わっていたいところなんだけど…
「さすがに起きないとな…」
俺の腕の中で眠る、
綺麗な綺麗な“お姫様”。
そのふっくら紅い唇に、
俺はそっとキスをした――