迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*



「予定日っていつだっけ?」



晩ご飯が終わって。

コウちゃんと2人、並んで食器を片付け中。



「んー?来月の半ばくらい?一応、12日ってことにはなってるけど…」



手を動かしながら、ぼんやりと答えるコウちゃん。



「なんせ、初めてだからね。多少前後すると思うんだよね。」


「そっか…」



そのあたりはなるべく予定は入れないようにしよう。

うん。



「難しいよなぁ…。さすがに今から有給申請するわけにはいかないし…早退?抜けてくるしかないかなぁ…」



何やらぶつぶつ言ってるけど…コウちゃん、立ち会う気なのね?


はぁ…

どれだけ“過保護”なんだか。


さっきだって、

せめて片付けくらいは、と思って立ち上がったのに…


みさきちゃんよりも先にキッチンへ消えたのはコウちゃんのほうで。


みさきちゃん曰く、
「危ないからいい、って。最近はずっとやってくれている」とのこと。


それは洗い物だけに止まらず…

掃除も洗濯も、コウちゃんは率先してやってくれているらしい。


素晴らしいよね?



「そう言えば…」


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