迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「マドカは最近、どうなの?」
感心していた私に、突然話を振るコウちゃん。
「…え?何が?」
いきなりすぎて、意味不明。
何の話だ…?
「“彼氏”とはうまくいってる?」
「……へっ?な…なんで知って…」
「けっこう長いよね?」
なんで?
なんで、なんで??
私、コウちゃんには言ってないよね?
って言うか、みさきちゃんにも誰にも…って、
まさか…
「聡子さんが言ってたよ」
「えっ?ママ…?」
とりあえず、一安心?
本人がバラしたわけじゃない…か。
「マドカは、彼氏と暮らすために家を出たんだ、って。」
……ん?んんっ?
なんだ、そりゃ??
確かに、私は2年前に家を出たけど…
それは、片道2時間の通学がいい加減キツかったからで、別に深い意味は…
「マドカのアパートに行ったら、明らかに“男物”の品々がたくさんあった、ってさ。」
「はぁっ?そ…それは…」
「“あの子何にも話してくれないから、航くんさりげなく聞いといてくれる?”って。頼まれちゃったよ、俺。」
ママのやつ~っ!