迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*



「まぁ、マドカもそういう“年頃”だし?相手の1人もいないのは、それはそれで心配だけど…」



動揺しまくりの私に対して、あくまでのんびり、マイペースに続けるコウちゃん。



「長くつき合うつもりなら、一度くらい家に連れて行ったら?」


「え…」


「せめて聡子さんには紹介してあげてもいいんじゃない?」



……確かに。

ご指摘の通り、

つき合って2年…いや、今年で3年目になるし?

今のところ、別れる予定もないし?

…向こうがどう思ってるのかはわからないけど。


もちろん、紹介できない相手ってわけじゃない。


でも…


物事には、順番ってものがあるでしょう?

私の場合、まず、紹介しなくちゃいけないのは…



「先に“お兄ちゃん”に紹介してくれてもいいけど?」


「へっ…?」


「“妹”にふさわしい相手かどうか、俺がちゃんと見極めてやるから。」


「……っ!」



コウちゃんってば…

結婚してから、妙に私を“妹”扱いしたがるんだよなぁ…

って、そういう場合じゃなくて!



「あ、でも、みさきが無事に出産を終えてからにしてね?」


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