迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「……へっ?」
航の“彼女”?
そりゃ、アイツなら普通にいるだろうけど……
「あなたを連れて帰って、バッタリ会っちゃったら気まずいでしょ?やっぱり」
「……あー。うん?」
よく意味がわからないけど……とりあえず頷いておこう。
「航ってば、私がいないのをいいことに好き放題やってるからねぇ。
まったく…。今じゃすっかり“半同棲”状態よ?」
……そういうことか。
確かに、そんなところに俺が行ったら邪魔だろうな。
「つき合いも長いし、今さらとやかく言うつもりはないけど……
私もさすがにまだ“おばあちゃん”にはなりたくないからねぇ。
そのへんは気をつけてもらわないと。」
「……っ」
そういうことをさらっと言えちゃうところがすごいと思う。
相変わらず、サバけた人だ。
「まぁ…、いずれはお嫁さんに来てもらうつもりだけどね。」
そして、わかりやすい。
その“彼女”のことを、相当気に入っているんだろう。
「最初はさすがにびっくりしたけど……
いい娘だものね。
“みさきちゃん”」