迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「えっ?ちょっ…」
ぐいっと。
その細い肩を引き寄せて。
俺はそのまま後ろからソファーへと倒れ込んだ。
「航く…」
必然的に、彼女は俺の上に乗っかって、見下ろす格好になるわけで…
「……なんか、襲われてる気分?」
「なっ…」
すごく新鮮。
押し倒すことはしょっちゅうだけど、押し倒されたことは…ないからね。
ふわっと、
顔にかかる栗色の長い髪に
俺を見下ろす潤んだ瞳に
ゾクッとした感覚が走る。
密着しているところから伝わる体温と
漂ってくる甘い香りに
刺激されるのがわかる。
「このまま…みさきから、キスして?」
彼女…みさきの頬をそっと包み込みながら、まっすぐにその瞳を捉えた。
「…えっ?な…なんで?」
ふっ…すごい動揺っぷり。
顔、真っ赤だし。
「だって、“みさきのせい”なんでしょ?」
「……っ!」
「疲れた俺を“癒す”責任があると思うけど?」