迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*




「こんなところ、また“見られ”たら…」



言いながら、俺から距離を取ろうと無駄な抵抗をし始める彼女。



「この前だって、すごく恥ずかしかったんだよ?
なんで、あんなこと…」



…あー。アレか。

まだ気にしてたんだ?



「だから、先輩が来てるときは、もう何もしない…って、航くんっ?!」



ぐいっと。
みさきの背中に腕を回して、身体ごと引き寄せて。



「……んっ」



近づいたところで、強引に唇を重ねた。


それ以上、そこからアイツの名前が出てきたらたまらない。


全部、俺のものなんだから。
俺だけの…



「…んっ。ぁ…っ」



触れるだけだったはずなのに、気がつけば深く侵食していて。

柔らかい感触と甘い熱に
すっかり囚われている自分がいた。


彼女から漏れる声とか
甘い吐息とか。

俺を煽る要素はたくさんあるから…

こうなったら、もう止められない。



「……つづきは部屋でしよっか?」



ここじゃなきゃ、いいんだよね?



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