迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
――…
―――……
「……ん?」
あれ?俺ってば、また…
心地よさに身を任せて、どうやら眠ってしまったみたいだ。
「みさき…は?」
まだぼーっとする頭と、
開ききらない瞼。
何とか動かして、ゴロンと首を動かしてみれば…
「寝て…る?」
俺の頭を膝に乗せたまま、みさきはすやすやと寝息を立てていた。
…あーあ。
どれくらい、こうしてたんだろう?
みさきはいつ寝たんだ?
俺は…まぁ、いいや。
みさきをいつまでもこの体勢にさせておくわけにはいかないし、
何よりこんな、冷えきったところで寝てたら風邪をひく。
部屋に連れて行こう。
俺は、ゆっくりと身体を起こした。
そして、ちらりとみさきを見る。
「起こすべきか、黙って運ぶべきか…?」
迷うところだ。
「とりあえず…」
部屋のセッティングだけして来よう。
エアコンを付けて、ベッドを整えて…
気持ちよさそうに眠る彼女をソファーに横たえて。
俺はリビングを出た。