迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「……何してんの?」
リビングに戻ったときにはだいぶ時間が経っていた。
片付けやらちょっとした掃除やら…
せっかくだから、って、
あれこれやり始めたのが悪かった。
「…!」
俺の声に、ぴくりと反応する背中。
見たところ、
“帰ってきたばかり”って感じだけど…
伸ばしかけていた手を引っ込めたのを、俺は見逃さなかった。
「何かした?それとも…
今から何かするつもりだった?」
言いながら、できるだけ足早に。
でも、なるべく余裕をもたせて
俺は、近づいていく。
「いや…俺はただ…」
振り返って、俺を見つめる困惑した瞳。
「こんなところで寝てたらよくないから…起こそうかと思っ「触んないでくれる?」
言いかけた言葉を遮って、睨むように見つめて。
俺は、ヤツとソファーとの間に立った。
もう近づけないように…
「“俺のもの”に気安く触んないで。」