迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*
「絶対、聞こえてたんだよ」
頬を真っ赤にして。
瞳を潤ませて。
泣きそうな顔で、みさきは睫毛を伏せた。
……やれやれ。
ゆっくりと立ち上がって、俯いてしまった彼女のところへと歩み寄る。
「…別にいいじゃん。」
言いながら、その細い肩を引き寄せて。
そのまま、自分の腕の中に閉じ込めた。
「聞きたいなら聞かせてやればいいし。見たけりゃ見せてやればいい。」
「なっ…」
「子供じゃないんだから。
向こうだって、“つき合ってる”男女が部屋で何をするか…なんて言わなくてもわかってるでしょ。」
……そう。
みさきが気にしているのは、昨夜のこと。
あのまま、
流れに任せて身体を重ねた俺たち。
アイツのせいで気持ちが高ぶっていたせいか、
いつも以上に、激しくみさきを求めてしまった俺。
案の定、終わってすぐに爆睡。
その間に、みさきはキッチンに行ったらしく…
そこで、鉢合わせてしまったらしい。
みさきはアイツが帰ってきていることを知らなかったから。
かなり驚いたみたいで…
「…無理。恥ずかしすぎるよぉ。」