秘密の彼氏
竜二は叫びながら、必死で抵抗する。


だけど、寿も手強く、なかなか包丁が奪えない。

私は何とか立ち上がり、寿に向かおうとした瞬間、段差で寿が倒れ込み、竜二に覆い被さった。


「竜二~!!」


急いで竜二の側へ駆け寄ろうとして、私の足は立ち止まる。


「竜二…?」


床には、大量の血が流れていた。


「ハハハ!!やった!やったぞ~!」


うつろな目で、高笑いをする寿。


倒れた弾みで、包丁は竜二のお腹に刺さっていたのだった。


「竜二?」


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