秘密の彼氏
「えっ?」


振り向いた瞬間、ほとんど同時に竜二は私を抱きしめた。


「りゅ、竜二?」


道行く人たちが、見て見ぬ振りをしながら、すれ違って行く。


甘い匂いが、ほんのりしてきた。


「何で、お前が先に言うんだよ」


竜二は、私を抱きしめたまま続ける。


「オレも、愛美が好きだ」


ギュッと力強く抱きしめて、少し震える声で、そう言ってくれたのだった。


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