青柳高校生徒会補助役員!?


桜庭:
「……………」

橘:
「……んで……??こんなモン見せつけてくれやがって、それが何の話に繋がるんスか??」


橘は不機嫌そうな口調で吐き捨てるように言った。

“去年”の出来事は橘にとっても面白くない話なのだろう……


梅宮:
「まぁー、ボクらも余程のことがない限り、このサイトを他人に見せ……いや、そもそも存在すら明かすつもりはなかったよ。メリットなんて何もないしね」

橘:
「なら、どうしてオレ達に話した??その[余程のこと]が起こらないように厳重にパスワードまで付けたんだろうが……」

榊原:
「ところがドッコイ」

桜庭:
(うわっ!!??)


すると、さっきまで壁に寄りかかってスヤスヤ眠っていたはずの榊原先輩が会話に割り込んできた。


榊原:
「起きちまったワケだ。[余程のこと]がな〜……」

橘:
(何をしてんだよ……)

桜庭:
「具体的に言うと……??」






梅宮:
「今朝、誰かがこの[裏サイト]にアクセスした形跡を見つけた」

桜庭:
「えっ……!!??」

梅宮:
「それだけじゃない。サイトの内部を閲覧され、しかも中にある一部のデータがゴッソリ盗まれているんだ」

橘:
「盗まれただぁ……!!??」


橘はより一層不機嫌な声を上げる。


橘:
「んだよそりゃ、ウィルスでもバラ撒かれちまったってのか!!??」

梅宮:
「いいや……ある意味それより対処が困難だ」


腕組みをしてこう続ける。


梅宮:
「[盗まれた]というのは正確には違う。盗むと言うのは……そうだな……、空き巣で例えるなら金目の金庫を丸ごと持ち出す作業と同じだ。被害を受けた側も瞬時に「盗まれた」と認知できる。何せ金庫そのものが無くなっているのだからね。でも今回の場合は、ワザワザ痕跡を消す為にサイトの中に侵入して一部のデータをコピー、そして[元のデータ]の方を削除していってる。勿論、正規の手段でね。とどのつまり、金庫の中身だけを綺麗に持ち去れてたという訳だ」

桜庭:
「………????」


今の説明で理解することの出来た人は名乗り出て欲しい。

そして、私に説明クダサイ。


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