Happy load
畠山の行動に対し、ムカつく所はあるがその気持ちを押ささえつつ南側の席に座った。


「畠山さん、とうぞこちらにお座り下さい」と畠山を反対側の席、北側の席へ座らせようとした。


「いやいや、これはこれはすみませんねぇ」とわざとらしい笑みをうかばせながら座った。


「で…私に話しとは……」


「そのまえにそこにいる篠崎 勝平様もご一緒にどうですか?」


「……」と慌てて後ろを振り向いた。


そこには、青ざめた顔でこちらを見ている勝平が立っていた。


「勝平!」


「ねっ姉…ち…ゃん、そのおじいちゃんだれ?」と震えながら人差し指を指した。


「この人は…」と畠山の方をちらっと見る。畠山はそれに察し、微笑見返してきた。


勝平はたぶん畠山の事をヤクザの一部だと勘違いしている。だけど………


息を飲み込み、目をつぶって、ほほえんだ。


「この人は悪い人じゃないからこちらに来なさい」


と何の保証もなく、はじめて勝平に嘘を付いた。





< 5 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop