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勝平が恐る恐る私の横に来て座った。

畠山は勝平が座った同時に背広の裏ポケットから一枚の写真を取り出し、机に置いた。

「ここに写っているお方は我が主・横山 陸人様でございます」

「横山 陸人?」

聞いたこともない名前だなぁと思いながら写真を取りやすい所まで滑らせ、持ち上げた。

「……えっこの人」

黒髪で凛とした顔立ち、20前半の男……間違いない、あいつだ。
でも、どうして?たしか、あいつの名…

写真越しから畠山を見下ろした。

畠山はどこか悲しそうな目で私を見ていた。

もう一度写真を見、陸人という人の顔を見た。

そして、写真から目を離し、静かに机に置いた。

「畠山さん、お茶でも飲みますか?」と問いかけた。

畠山は少し口を開けたが口をつぐみ「おぉ、ちょうど喉も渇いてきた所なので……お願いします」と答えた。

「そうですか」と苦笑いをし「少しばかりお待ちを」と席を立ち、台所へと向かった。

勝平はこちらを見ていたが、あえて無視をした。


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