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食器棚から緑茶の粉末が入っている筒を取り出し、蓋をあけた。

一杯ぐらいだろうか……緑茶の粉末はそれっぐらいしかなかった。

お客さま用のコップがなかったので、いつも使っている黒色のマグカップに緑茶の粉末をいれた。

「綾音様」と畠山の鋭い声が聞こえたので振り向いた。

畠山は居間から一歩も出ず座りながらこちらを見ていた。

「なんでしょうか?」と顔を濁らせ畠山を見た。

「陸人様……いえ悠希様を助けてもらえないでしょうか?」

「助ける?助けるとはどういう事ですか?」

眉間にシワを寄せ、畠山を見た。

畠山の顔を今までない嘆きめいた顔をしたので本当にあの人が救いを求めているのであろうかと想い悩んだ。
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