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「勝平……」と勝平の顔と向き合う。

勝平の顔が、いつになく真剣な顔つきであった。

「勝平、もし私があいつ、悠希を助けにいくとしたら、ここにあんた一人で居ることになるのよ。それでもいいの?」

「それでもいぃよ」と歯を噛み締めた。

「そう…」

意地なんか這っちゃって…と思いながら勝平を見つめ、そっと顔に掌を添えた。

「ごめんね」と言った瞬間、勝平の目が潤んだ。

「姉ちゃん」と潤んだ目を手で擦り、蒲団の中に入った。

「お休み…ねぇちゃん…」と背中を向け、狸寝入りする勝平。

「……お休み」と蒲団の中へと入り、あの時の事を思い返していた。
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