小さな恋の物語

迷い

章吾との関係がなくなってから私は辛くはなかった。


もう安心した。


私は章吾の彼女でもないから。


ただの友達だから…。



でもなぜか夜…一人ぼーっとして考えてしまう。



章吾の事を…。



もう章吾とは関係ないのに…。



章吾からのメールを待っている私がそこにいた。



章吾と恋人同士でいられた9日間…たくさんの感情が現れた。



最初は好きという感情。


最後は寂しさという感情。


今は…?


今はどうなんだろう。



章吾に感情なんか持っちゃダメ。


でも…



章吾の声が聞きたい。



そう思ってしまう。



あの優しい、低い声で【ゆか…?】と名前を呼んでほしい。


これは後悔になってしまうのだろうか。


いや…ダメだ。



せめて…迷いであってほしい。



章吾にこれ以上意志の弱い女だなんて思われたくない。



せめて最後はかっこよく終わりたい。



でも…私は本当に意志が弱いね…。



章吾に別れを告げてからまだ10日程度しかたっていない。


章吾と別れた事は親友のゆきにもまだ話していない。


心配させたくなかったから。
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