1分と31秒のとびら。
【11】

――


「遅せぇ」



バスを降りたら、バス停に由紀がいた。



「・・・・・・ごめん」



「乗れよ」



無言のまま、自転車は坂道を下って行く。

紫色の空に1番星が輝いている。





「あっ・・・・・・」



私の声に反応して、由紀が自転車を止めて振り返った。


そこには鳩が1羽、車に轢かれて死んでいた。


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